第64回関西支部学術集会

第64回関西支部学術集会

会長挨拶

会長: 中尾 慎一(近畿大学医学部 麻酔科学講座)

会長: 中尾 慎一(近畿大学医学部 麻酔科学講座)

第64回関西支部学術集会を主催させていただきます、近畿大学の中尾です。2018年9月1日(土)に、大阪国際会議場で開催いたします。今回テーマを、「麻酔科医の特権と責任」といたしました。麻酔科医は、循環・呼吸・脳神経系や肝腎といった多様な臓器のみならず、疼痛や敗血症といった多様な病態を学ぶことができるとともに、そのどれかを専門として選ぶことができます。一方、場合によっては患者の主治医とならないため、オン・オフのはっきりした生活を選択することもできます。さらに、手術麻酔管理に限って言えば、認定医を取る段階である程度のレベルに達することができ、自分の知識や技量に自信を持つことができるかもしれません。これが特権です。が、麻酔科学、そして麻酔の実践はこの多様性ゆえに実は非常に奥の深いものであり、「患者の命を守る最後の砦」となるためには、逆にこれらのすべてのことに通暁することが本来は必要なのかもしれません。これが責任です。

そのような趣意の下に、特別講演は滋賀医科大学神経難病センター長の遠山育夫先生に「アルツハイマー病研究の最前線(仮題)」というテーマで、招待講演では近畿大学循環器内科教授の栗田隆志先生に「ブルガダ症候群・QT延長症候群(仮題)」というテーマで、教育講演は近畿大学麻酔科の濱崎真一先生に「高血糖は何故体に悪いのか(仮題)」というテーマで御講演をいただく予定です。専門医共通講習では、マスコミにも多数出演されている近畿大学医学部病理学講座の榎木英介先生に、研究不正や論文不正について話していただく予定です。その他、共済セミナーとして、麻酔科学のみならず集中治療学やペインクリニックといった分野からの講演を予定しています。

麻酔科学の多様性という特色を生かした、皆さまにとって有意義な学会にしたいと思っています。どうぞよろしくお願い申し上げます。