中国・四国支部第55回学術集会
会長挨拶
(愛媛大学大学院医学系研究科 麻酔・周術期学講座)
日本麻酔科学会中国・四国支部第55回学術集会を来たる2018年9月1日(土)に愛媛県県民文化会館(ひめぎんホール)で開催させていただきます。学会のテーマを「麻酔科医療の品質管理」と掲げさせていただきました。麻酔科医が関わる医療としては、手術麻酔、集中治療、救急医療、ペインクリニック、緩和医療などがありますが、ここでは「麻酔科医療」を手術医療の術前評価、麻酔計画立案、術中麻酔管理、術後管理という概念で考えています。
国民から医療現場に対して、「医療の安全と質の確保」ということが一層強く求められる時代となっています。医療事故調査制度が始まり、医療行為に起因し、かつ予期しなかった死亡に関して、検証する仕組みが作られました。また、特定機能病院に対して、その施設で新規に行う高難度の手術などの医療行為を導入する際に診療体制を評価した上で導入の可否を決定し、医療行為の結果を検証する部門の整備も義務づけられました。手術医療は危険を伴う医療行為と認識されていますが、結果が悪ければ、検証の対象になる可能性があります。麻酔科医にとって、周術期の患者安全の確保に専心しなければならないのはもちろんですが、麻酔科医療における循環管理、呼吸管理、輸液輸血管理、術後疼痛管理などの品質を高めていく努力も重要です。手術中の生命は守られたが、「麻酔科医療の品質管理」次第で、患者の生命予後に影響を与える可能性があることにも関心を持つ必要があると考えます。
特別講演として、東京大学医学部付属病院手術部の安原洋教授に手術医療の安全や質の管理についてご講演をお願いしています。一般演題、優秀演題、麻酔科領域講習、専門医共通講習、共催セミナー、周術期管理セミナーなどを適切に配置して、会員の皆様が知識のブラッシュアップをより多くかなえることができる様に企画したいと考えています。皆様のご発表とご参加を心よりお待ちしております。